ニュースリリース

末日聖徒イエス・キリスト教会、
台風15号により被害を受けた屋根の修理費用を寄付する

 

千葉県南部を回って最初に目に入るのは、田舎の風景の中に点在する、部分的にブルーシートで屋根を覆った多くの家屋だ。2019年9月9日、風速65メートル(134マイル)の風を伴った台風15号が関東地方を襲い、90万人以上が停電の被害を受け、成田空港では13,000人以上が身動きの取れない状態となった。3人が亡くなり、143人が負傷した。この台風による被害は、館山に至る千葉県南部に集中した。屋根瓦が数枚飛んだだけの地区もあったが、地区全体に被害が及んだ場所もあった。台風15号は本州を襲ったものとしては60年来最大規模であった。

最も被害の大きかったのは鋸南町、鴨川市、館山市で、早急に援助を必要とした。直ちに鋸南町のボランティアセンターはボランティア希望者の組織化に取りかかった。しかし、救援のために自衛隊も投入されたが、被害修復には専門技術が必要であることから、作業は難航した。家屋のほとんどが2階建てで、傾斜の急な瓦屋根での作業は危険を伴うものだった。その地方の住人の多くが高齢者で、修理作業中に少なくとも3人が亡くなった。

セブンスデー・アドベンチスト教会が後援/出資するアドラ・ジャパンは去年の夏、非営利団体で災害救援を目的とするレスキューアシストと協力して地震被害を受けた北大阪地区で家屋の修繕に当たった。この2団体は修繕方法について意見を出し合った。屋根を失った多くの家は、雨が降れば水の被害を受けやすくなっていた。大きな被害にはとても足りない大工の数を考え、行政担当者は、完全に修理するには何年もかかるとの感触を持った。一時的な解決策が必要とされた。

アドラのプログラムオフィサー、小出一博氏は次のように説明している。「2018年の大阪での経験をもとに、高い伸張性のあるビニールシート、つまり、ブルーシートを使った安価で耐久性のある方法を考え出しました。防水テープ、細長い木の棒、金属の留め具、強化ビニール紐を使って屋根にシートを取り付けます。その後、砂を詰めた紫外線防止袋を付けて、シートがずれないようにします」と、山積みになっている新しい品物を指さした。「この作業には危険が伴いますから、わたしどもは、ボランティアのために2時間の訓練コースを用意しました。」

東京にオフィスを持つアドラの事務局長である浦島靖成氏は言う。「次のステップは、必要な物資の購入資金を集めることと、資金回復でした。それでわたしたちは、去年(2017年)広島地方での洪水災害の際、協力して救援活動に当たり、良い関係を築くことができた末日聖徒イエス・キリスト教会に資金提供をお願いすることにしました。幸いにも彼らの反応は早く、彼らからの寄付により、すぐ修繕作業に取りかかることができました。」

「アドラから、修理に必要な資金提供の依頼を受けました。」こう話すのは、地域ファミリーサービススペシャリストで福祉と自立を担当する落合淳兄弟だ。「教会は多くのボランティアを集めることができますが、今回、専門技術を必要とする作業であるため、わたしたちがすべきことは物資を購入することでした。必要とされる最善の方法で援助することができて、大変うれしく思いました。9月13日にアドラから資金提供の依頼が来て、9月15日にはアジア北地域会長会の承認が出ました。その週に支援を提供することができました。」

浦島氏はこう説明する。「アドラはその資金で必要な物資を購入し、ボランティアのための技術習得訓練を始めました。現在、二つのチームが週日活動し、もっと多くのチームが週末に働いています。」

10月9日、小玉幸浩氏と杉浦友樹氏は、夫を亡くしている高齢女性の家で屋根の穴を塞ぐ作業を行った。プロの運転手である杉浦氏はボランティアをするために9月中旬から休暇を取って鋸南町に滞在し、夜は車で寝ている。児玉氏は5年前に退職した後、今は自分の時間をボランティア活動に使っている。

「これまで約60軒の家の修理が終了しました。修理が必要な家はまだ1,500軒ほどあるそうです。この地区だけでですよ。」こう話す児玉氏も約3週間前から鋸南町におり、少なくとも10月末までここにいる予定だという。「ルーフ・エンジェルス」というボランティアグループに属している児玉氏は、同じような状況にある人々を助けるために様々場所に出向いている。

今二人は、11年前に夫を亡くした小島マサさんの家で作業を行っている。「台風の時は本当に怖い思いをしました。ただ、外の様子を見ていることしかできませんでした。うちは角地で、色々な残骸がうちの庭に飛んでくるんです。そうこうしているうちに、雨漏りがし始めたので2階の床に鍋をおいて水を受け、それを外に捨てていましたが、とても追いつくものではありません。そのうち水が1階の床に落ちてくるようになりました」と、小島さんは傷んだ天井と壁を指さしながら話してくれた。

さらに続けて、「停電は5日続きました。冷蔵庫にあったものを食べましたが、調理はできませんでした。一週間は店で食料品も買えませんでした。何か援助してもらえないかと役所に行ったら、乾燥麺をくれましたよ」と笑って言う。「それをいただいてうれしかったですよ。後片付けが大変で、しかもあまり食事をしなかったから、一週間で3キロもやせました。」小島さんはボランティアの人たちと、援助物資を提供してくれた人に大変感謝をしていた。

今どのような助けが必要かと聞かれ、アドラの浦島靖成氏はこう答える。「早急に必要なのは技術を持ったボランティアです。現在二つのチームが働いていますが、6から8つのチームが必要です。手伝いたい人は、屋根葺きの技術か建築経験が必要です。」ボランティアを希望する人は、鋸南町ボランティアセンターで登録できる。あるいは、東京のアドラ(ADRA)に問い合わせるか、director@adrajpn.orgにメールで問い合わせることができる。資格あると認められた人には、必要な安全訓練を受けてもらうことになっている。

今回の被災地域は千葉ステーク木更津支部内にある。青柳 弘一支部長は教会からの援助に感謝し、こう話している。「他のワードの会員も含め、手伝いたいと思っている人は大勢いました。しかし今回必要なのは、人手ではなくお金でした。隣人を助けることができてうれしく思っています。」

書式ガイドの注釈:末日聖徒イエス・キリスト教会に関する記事で,教会の名称を最初に引用する際には,正式名称を使うようお願いいたします。教会の名称の引用に関する詳しい情報は,こちらへ: 書式ガイド書式ガイド.