オピニオンリーダーの紹介から
能登半島地震が発災した2024年1月、教会コミュニケーション部は七尾市議会の木戸奈諸美議員とコンタクトする。彼女はかつて、教会の英会話に数回出席したことがあった。このご縁から紹介を受け、七尾市の御祓(みそぎ)地域の避難所を運営する御祓地域づくり協議会と、矢田郷(やたごう)地域の避難所を運営する矢田郷地区まちづくり協議会、また七尾市行政ボランティアセンターへの支援の経路が開かれた。
教会は、他の団体と連携しつつこれら2か所の地域を支援してきた。2月初旬以降、行政の炊き出し支援が終了するタイミングに合わせ、内陸部の矢田郷地区を中心に両避難所への食料品を継続的に支援する。被災から時間が経つにつれて単調になりがちな避難所の食生活に変化を持たせるべく、避難者の方々のニーズに耳を傾けて細やかに配慮した多彩な品目を提供した。
地域活動支援
2月10日(土)には、御祓地域づくり協議会の主催による「町ブラ」の活動を、金沢ステークのヘルピングハンズボランティアが支援した。町ブラとは、町中を歩きながら、同地区の自宅避難者のお宅を回り、声をかけながら個々の今のニーズを聞き取るという活動である。
御祓地区は七尾市の中心部、JR七尾駅北側の七尾南湾沿岸部に位置し、23の小さな町会、自治会が広がっている。同地区にある、室町時代から600年以上の歴史がある七尾市の観光地「一本杉通り」の両側には古風な趣のある店舗や住居が立ち並ぶ。金沢ステーク七尾支部からは北へ徒歩20分ほどの場所である。
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今回、「町ブラ」活動の対象となったのはその一本杉通り。東西450mほどのまっすぐな道沿いに点在する古い建物の多くが地震の犠牲になった。住宅の危険度を表す赤い紙が貼られた町の中、途中からあいにくの雨に遭っても、ボランティアは各家庭を訪れ、ニーズを聞き取る作業を行なった。
2月12日(祝)には同じく御祓地域づくり協議会主催の、和倉温泉の湧出温泉水を使った足湯の提供活動を支援した。足湯に浸かりながら自然な会話をすることで、被災者が悩みを抱え込まずリラックスできるように、との企画であった。源泉温度90℃のお湯が運ばれ、適温に調整された足湯専用バケツの中に被災者の方々が足を浸した。「温かくて気持ちが良かった」「疲れが少し癒された」などの感想が聞こえてきた。ヘルピングハンズボランティアのアロママッサージで、頭や肩の凝りをほぐすサービスも提供された。
避難所への炊き出し支援
3月16日(土)、御祓地区コミュニティーセンター避難所にて、金沢ステークの会員らが炊出しボランティア活動を行なった。ハンバーグ弁当50食を避難所の皆さんや近所の方に提供した。(詳しくはこちらの記事を参照)
軽トラックの寄贈
被災地支援においては、支援物資の輸送、がれき撤去など様々な局面で運搬手段の確保が不可欠である。そのため、矢田郷地区まちづくり協議会でも、御祓地域づくり協議会でも軽トラックを運用することが切望されていた。
3月下旬、教会は中古車の軽トラックを調達し、それぞれの地域に寄贈した。
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子どもイベント協賛
5月18日、御祓地区では子ども向けのイベント「みそぎっ子チャレンジラリー」が開催された。他の支援団体と共にヘルピングハンズも協賛し、当日の運営を支援したほか、ラリーの景品とペットボトル飲料170人分を寄贈した。多彩なプログラムを楽しむ子どもたちは、ひととき被災を忘れて明るい笑顔を見せた。
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感謝状を贈られる
これらの支援に対して5月25日、御祓地域づくり協議会(春樹 憲会長)、および同地区内の三島町会(星澤俊雄会長)から教会に感謝状が贈られ、代表して日本金沢ステーク会長会第二顧問の西村栄治兄弟が受け取った。
春樹会長は、『いろんなところでボランティア活動をしていただいて助かったんですけれど、特に軽トラックの寄贈は、私たちにとって思いがけない助けとなっています。もう何回も使わせていただきまして、私自身も使わせていただきました』と改めて感謝の言葉を述べられた。
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また、三島町内にあった三島金刀比羅神社は、地震により倒壊寸前の状況にあった(写真)。地域住民にとって金刀比羅神社は信仰と活力の拠り所であった。社殿は残念ながら解体となったものの、貴重な歴史的文献、資料等が多数救出された。七尾市および三島町会にとっては地域の宝物であった。傾いた社殿の解体費用が神社再建の障害となっていたところに、教会がその資金を提供したのであった。
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6月5日(水)、教会は矢田郷地区まちづくり協議会にタープテント20本、御祓地域づくり協議会にタープテント25本を寄贈した。これらは今後の地域づくり活動で活用される。
教会は今後も地域の人々に寄り添った支援を続けていく。◆