ニュースリリース

沖縄戦戦没者インターネット検索システム構築にファミリーサーチが貢献

教会員ボランティア400人が入力プロジェクトに携わる

沖縄県は、6月23日(慰霊の日)午前11時50分から、糸満市の沖縄県営平和祈念公園で「沖縄全戦没者追悼80年記念式典」を開催します。この公園には、国籍を問わず、軍人・民間人の区別なく、沖縄戦で亡くなった方 24万2,225人の名前が刻まれた碑「平和の礎(いしじ)」があります。戦後50年を記念して1995年に設置されました。

 
これまで、碑銘として刻まれた名前の検索は、公園内の平和祈念資料館の端末を用いるか、県へ問い合わせるしかありませんでした。
  
追悼式典に先立つ6月19日、沖縄県は、「平和の礎」の名前の検索システムを完成させ、インターネットで公開しました。沖縄県の玉城デニー知事がこの日の記者会見で発表しました。この検索システムでは、碑に刻まれた方の氏名、生年月日、出身地などを検索することができます。
 
システムは、日本語、英語、韓国語、中国語、スペイン語、ポルトガル語に対応しており、スマートフォンやパソコンなど、様々なデバイスからアクセスできます。
  

末日聖徒イエス・キリスト教会が提供する世界的な系図ウェブサイト「ファミリーサーチ」は2024年、400人のボランティアを募り、「平和の礎」に刻まれた約24万人の氏名を登録する Find-A-Grave※1 プロジェクトを実施しました。10代から80代の日本人・アメリカ人など幅広い層の教会員とその友人が参加する一大プロジェクトとなりました。

「平和の礎」の全ての碑銘は、炎天下で一枚一枚撮影され、撮り終えるまで2日間かかりました。

すべてのボランティアがオンラインで参加し、場所を問わず参加できるプロジェクトとなりました。記入方法や登録方法などをオンラインで説明するボランティアリーダーたちは、作業期間中、何度もボランティアたちのフォローを繰り返します。

また、各々のボランティアが戦没者に思いを向けて丁寧に入力するよう配慮されました。作業のペースは人それぞれ、1人で何百人も入力を完成させる人もいれば、時間をかけながらゆっくりと作業に携わる人もいます。80%近くの名前の入力は最初の2か月ほどで終わり、その後、丁寧に作業を続け、最終的な完了までは8か月かかりました。


沖縄軍人地方部の15歳の少女は、「平和の礎」の中に、沖縄戦で亡くなった米兵の大叔父の名前を見つけました。彼女は、米軍人1万4,000人の名前の入力を、友人に声をかけて多くの人に助けられながら進めました。※2
 
このプロジェクトはメディアでも紹介され、沖縄県庁や知事へ公開の要望が寄せられました。また、県民、海外在住者、そして遺族からも、より利便性の高いシステムを求める声が上がりました。ファミリーサーチは、沖縄県の「平和の礎」検索システム事業に大きく貢献したと評価されています。
 
玉城知事は記者会見で、「平和の礎に世界中どこからでもアクセスできるようになりました。平和を希求する沖縄の精神を、さらに広めていきたい」と述べています。
 
沖縄タイムス紙も、平和記念公園の礎石に刻まれた戦没者全員の名前を紙面に掲載しました。

ファミリーサーチの Find-A-Grave プロジェクトでは、一部の名前や漢字が確認できませんでしたが、新聞紙面リストの情報によってその問題は解決されるでしょう。ファミリーサーチは2025年7月から、この新聞の情報をもとに、沖縄の若い世代、青少年、その友人、他県のボランティアと協力し、Find-A-Graveに登録されている約24万人の名前を再調査するプロジェクトを開始する予定です。◆



沖縄県「平和の礎」検索システムはこちら



※1─ Find-A-Grave はファミリーサーチと提携している外部団体で、世界中のお墓や碑文に刻まれた名前とその場所を検索できるデータベースである。調査とデータベース入力作業は世界中のボランティアによって進められており、著名人を含む25億人以上の名前から検索できる

※2ニュースルーム記事「14,000人の名前」(2025年3月3日リリース)参照

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