ニュースリリース

東日本大震災から10年
人道支援を人々と共に

4回連載第2回

2021年2月24日、ジョン・A・マキューン長老と福祉自立サービス部の一行は岩手県宮古市の「かけあしの会」を訪問した。かけあしの会は、2011年に復興支援プロジェクトとして発足、以来さまざな支援活動を経て、現在、三陸・岩手の地産商品販売を手掛ける商社として2015年5月に株式会社化した。

震災当時に教会は、現地で必要とされている物資を教会員の寄付によって集めて寄贈し,特に葬儀のための礼服の無料配布を行なった。

かけあしの会の菅原則夫社長はこう振り返る。「あの時は本当に勇気づけられた。亡くなっていく方々をせめて礼服で弔いたいという希望を教会はかなえてくれた。人々が我々を支えてくれる、そういう心が私たちが前に進む勇気となりました。」無論、かけあしの会を支援した団体はほかにもたくさんある。しかし、「(現宮古支部扶助協会会長 佐々木敏枝姉妹を見て)あの普段はおとなしい佐々木さんが、『礼服なら私の教会が集めてくれると思う』といきなり言い出したんです。しかも本当にそれが実現した。礼服さえも集めてくれる教会には励まされました」と香木みき子氏は語る。「そういう支援の積み重ねが、今の私たちが取り戻せた元気のみなもとになっています」と菅原社長は言う。マキューン長老は「私たちは皆さんのことを忘れません。これからも私たちはパートナーです」と伝えた。

同日午後には、宮城県本吉郡にある南三陸森林組合代表理事組合長 佐藤久一郎氏、副組合長 高橋長春氏を表敬訪問した。南三陸森林組合は、宮城県森林組合連合会傘下16組合の一つで、7ヘクタールの森林を管理する。一般的に、流通の川上である森林組合を支援すると、川下の材木加工業者も潤うといわれる。この産業構造を踏まえ、森林資源を収益化し林業を復興するため、森林を伐採する林業機械ハーベスター(自走式森林伐採運搬機)を教会は南三陸森林組合に寄贈した。2012年8月のことであった。1 この機械は、自走して山に入り、その場で樹木の伐採、枝払いと皮むき、運搬に適切な長さへの切断までを行う。パワーショベルの腕の先端に伐採機械が付いたような形状をしており、前面には伐採時に車体を安定させるブレードが付いている。この支援については、同組合佐藤氏、高橋氏が2019年5月に教会管理本部を表敬訪問した際のニュースルーム記事に詳細が掲載されている。

この支援により、南三陸町の木材の流通量は飛躍的に伸びた。「ハーベスターを頂いてからですね、復興への勇気が湧いてきましたのは」と佐藤氏は当時を懐かしむ。この10年間、粉骨砕身で稼働したハーベスターは、多少老朽化したものの今でも現役である。今日も作業するその姿は、共に復興に身を捧げた森林組合職員の同志のようであった。

*1─ 「南三陸森林組合に自走式樹木伐採運搬機を寄贈」リアホナ2012年10月号ローカルページ,1参照

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